全日本プラスチック製品工業連合会
  連 合 会 第48回 通常総会 開催される

的確な情報とあらゆる手段を用い 新たなる道を切り開こう!


 6月4日(木)品川プリンスホテルで第48回の通常総会が開催されました。服部会長の挨拶要約は以下の通り。

服部和彦会長の挨拶
服部和彦会長の挨拶

総会後の懇談会
総会後の懇談会
「先ほどは第48回の通常総会が円滑に終了し、会員皆さんのご協力に感謝申上げます。  そのあと、柘植先生からは、「生産工場での4割コスト改善事例」という大変興味あるご講演を戴きました。重ねて御礼申上げます。
 さて、今からの情報交換会には、経済産業省の高田化学課長様、藤田課長補佐様、薄井係長様にもご参加戴き、華を添えて戴きましたこと、心より感謝申上げます。
 さて、この一年の連合会活動を振り返りますと、早いもので昨年6月5日に開催の第47回通常総会におきまして、山田 連合会会長よりバトンタッチし、新会長に就任いたしました。それに伴い、連合会の事務所も 西日本協会から 東日本協会へ移転し、専務理事も樋笠氏から 橋専務理事へ交代いたしました。
 そして2年間続いた テレビ会議による理事会の開催を取り止めさせて頂き、理事の皆様が一堂に会した以前の方法に戻し、フェイス・ツー・フェイスでより一層、意思の疎通を図るねらいが果たせたのではないでしょうか。
 また、懸案でした連合会事業の柱の一つに技能検定事業がありました。「プラスチック技能検定推進協議会」を連合会の委員会組織に組入れ、一体化を図ることができました。
 これも各地区協会・検定関係役職員各位のご努力のお陰であり感謝申上げます。 また、本日お越し戴きました、経済産業省・化学課さんへは、連合会として、業界の実情をアピールすべく、幾度か面談の機会を賜りました。
 そして高田課長様、藤田課長補佐様が、親身になって且つ素早く対応して戴いたおかげで、緊急保証制度の業種指定を早い段階で受けることができました。
 新春1月28日に賀詞交歓会を開催。ご来賓でご出席戴いた高田化学課長様に 不躾ですが、包装資材価格等が一向に下がらない実情について訴えましたところ、直ちに各方面に奔走して戴き、その結果として4月からの段ボール価格の引下げに繋がりました。改めてここで感謝し皆様にご報告申上げます。
 バトンタッチ受けました昨年以降は、世界的な投機マネーが資源・素材へ向かい、原油、鉄、パルプ等の国際価格が高騰いたしました。特に、昨年7月に入り原油価格が147ドル/バレルまで急騰いたし。9月以降は、リーマンブラザーズの破綻を契機に世界的な金融危機が発生。需要の急激な落ち込みから、原油価格は一転して30ドル台まで下落して 百年に一度といわれる不況に陥りました。
 昨夏までは、受注先筋へ価格改訂のお願い文書を団体連名にて作成配布しましたが、昨秋以降は、川上の樹脂メーカーに対し価格引下げのお願い文書を作成し、石油化学協会の会員企業24社へ発送する等 業界としての対応に追われました。
 今年の賀詞交歓会で、国の内外で起こっている様々な「変」についてお話をさせて頂きました。その延長であると思いますが、世界の自動車産業を百年にわたってリードしてきた、あのGMが経営破綻いたしましたこの影響は誠に大きく、暫くは、私ども企業経営者にとって厳しい状況が続くと思われます。
 一方で「極めて僅かですが、明るさの気配」が感じられるとの記事も最近見られます。正にその苦しい峠を乗り越えようとして居ります。しかし現在の消費者物価はデフレ傾向で、私達が関与する原油は昨今68ドルを付け、インフレ気味に推移していることは、見逃すことは出来ません。
 そんな中最近、各種イベントは縮小・若しくは中止に追い込まれている状況です。 が、しかし業界の活性化を求めるべく、当連合会が特別協力する、名古屋プラスチック工業展は、10月に予定通り開催される事になっております。どうか皆様方の一層のご支援ご尽力を得て、多数のメーカー各位にご出展をご依頼していただくようお願い申し上げます。
 従って当連合会理事会も予定どおり10月6日に開催いたしますので是非ご出席戴き、また、工業展に高覧賜りますようお願い申し上げます。
 そんな厳しい昨今、国も、今度の補正予算では、さらに思い切った施策を打ち出して戴いたようです。後程、高田化学課長さんからその辺のお話をいただけるかもしれません。
 最後になりますが、この厳しい一年が、皆様方にとりまして 「災いが転じて福となる」 世相になりますことをご祈念申上げ、簡単措辞ですがご挨拶とさせて戴きます。
 本日は 誠に有難うございました」

 続いて、経済産業省・高田化学課長様から以下ご挨拶を戴いた。
高田化学課長のご挨拶
高田化学課長のご挨拶
「補正予算が先日、国会を通過し成立した。中味はひとつが中小企業向け「繋ぎ融資」で保証枠が20→30兆円に拡大されたこと、ふたつは中小企業が行う技術や新商品の開発、販路開拓等に係る資金(例30〜40百万円)について申請して認可されると、その2/3が補助金として受けられる。総額700億円の予算規模でうち補助金は全国2000件を予定。プラスチック業界の皆様が是非この制度を利用し将来の発展につなげて戴きたい。5月例経済報告では、2006/2月以来はじめて上方修正され、いくつかの指標が改善(失業率悪化テンポ緩和、在庫水準が低下、また石油化学の稼働率が91%台に回復<1年前:70%台>)されたがまだ予断を許さない状況、是非これを乗切って戴きたい」


 また、総会後の情報交換会では、講師の柘植映二先生から、以下のお話を戴いた。
講演する柘植映二先生
講演する柘植映二先生

1.減産期と増産期のマネージメントの使い分けについて
 @ 減産化対応とは、数ヶ月先の市場規模を読んで、事前に企業規模を市場サイズの縮小化に整合させてスモール化し、来るべき減産を迎え撃つマネージメントである。即ち、減産前の企業規模について減産率相当分を削減して、従来の収益率を維持する活動のことである。
 A ある自動車関連企業の昨夏までの利益率は26%であったのが、昨年末△4%、現在では5%、これは対応の遅れでありその経営に与えるダメージは甚大であった。従って、減産対応は先手必勝的にジャストインタイムで攻める戦法でなければいけない。
 B 一方、減産から増産への対応は、縮小させて体質のままで踏ん張れるだけ踏ん張るといった、後手の粘りの戦法でなければいけない。

2.トヨタ生産方式(TPS)の有効性と継続性について
  TPSを導入した企業は、導入から4〜5年経つと2の足を踏むケースが多い。何故か?
 @ TPSに対する勘違い
   TPSは改善活動の道具であり、体質に抜本的な改善のメスを入れたい人が存在しない限り、TPSは無用である。従って、TPS指導者は「実態を改善するということと、人材の育成も活動のうち」と認識する必要がある。
 A TPSは改善の極限追及
   実態からムリ・ムダ・ムラのすべてを抉(えぐ)り出して撲滅し、標準化により改善の極限状況を定着させるという活動は難しく、片手まで対応できるものではない。組織として徹底的な取組みを要件としているため、TPSの浸透には陣頭指揮体制が不可欠である。
 B TPSと企業Needsとの連結
   TPSを目先の小改善活動に終始させると先細る。一層の発展のためには「なるほどTPSは有効である」との実態がトップから現場の第一線まで伝わらなければならない。そのためには企業NeedsからTPS活動が動機づけられ、活動成果が経営次元に還元され査定されなければならない。

3.「生産工場での4割コスト改善事例」について
 @目標値の設定→A画期的改善のためのロードマップの作成→Bラインマンの合理化→Cコンベア上の作業の最適化(標準化)→D一人工の工程作り→E物流の合理化(物流動線と物流効率)→F改善成果の評価(成果の査定方法) 等コスト改善事例について、配布資料に沿って説明があった。