全日本プラスチック製品工業連合会
  2011年 賀詞交歓会

2011年 賀詞交歓会


 平成23年1月26日(水) 全日本プラスチック製品工業連合会の新年賀詞交歓会が八重洲富士屋ホテルで開催されました。 経済産業省の化学課長様はじめ業界関連団体、企業等多くのご来賓と連合会傘下の四地区工業協会の役員並びに会員 約70数名が出席し開催されました。 席上、五十嵐明迪連合会会長からは以下の新年挨拶を申し上げました。

全日本プラスチック製品工業連合会 会長 五十嵐明迪  「皆様 新年明けましておめでとうございます。
 皆様におかれましてはお元気で輝かしい新春をお迎えのこととお喜び申し上げます。
 旧年中は「全日本プラスチック製品工業連合会」の運営並びに活動に関しまして多大なご支援、ご協力を賜りましたこと、心より厚く御礼申し上げます。
 さて、昨年は大変な1年でした。1月にはJALが総額2兆3000億円の負債を抱えて会社更生法を申請しました。又、夏の平均気温が統計を取り始めてから113年ぶりという最高気温を記録し、高齢者の死亡事故が多発しました。6月には鳩山首相が退陣して菅内閣が発足し、又、宮崎県を中心に家畜の口諦疫が流行し、多くの家畜に被害が出ました。9月には尖閣沖での中国漁船による衝突事故が発生し、その事後処理のまずさと事故の模様を記録したビデオの流出が民主党政権の信用を失わせることになりました。
 ただひとつ明るい話題としては、小惑星探査機の「はやぶさ」が多くの困難を乗り越えて7年ぶりに帰還し、小惑星「イトカワ」の微粒子を持ち帰ったことくらいでしょう。
 また、秋には23年度の税制改革で、法人税率を引き下げるための財源探しでナフサに課税する案が浮上し、石油化学業界に激震が走ったのですが、私ども連合会は「石油化学工業協会」と連携し、絶対反対の総決起大会を開きました。その総決起大会には30の団体と500人の関係者が参加し、私共連合会からは地元の東日本、神奈川を始めとして西日本、中部日本からも約20名の会員が参加し、シュプレヒコールを上げてナフサ課税反対を訴えました。
 ナフサ課税問題は一昨年も提案され、石油化学業界の反対で見送られた経緯があるのですが、2年続けての提案でして政府税制調査会は何を考えているのかと非難したいと思います。この問題については、われわれは恒久的非課税を求めているのですが、これは認められず来年以降の検討課題となっています。石化協の高橋恭平会長も「ナフサ課税論議」を毎年の恒例行事にしてほしくないとウンザリした表情で語ったと日経新聞に出ていましたが、まったく同感であります。
 ナフサ非課税は世界的に見ても当然の成り行きであり、石油化学業界が優遇されているわけではありません。諸外国と同じ土俵で戦うことが可能になっただけの話でして、中東やアジア勢との価格競争はこれからが正念場となります。その辺の経緯はインターネットにナフサ課税とインプットして検索すると詳しい情報が得られますのでご覧になってください。
 原油価格を見てみますと年末には90ドル台に達し、100ドルを超えるとの見方があります。中国や東南アジアでの石化製品の需要拡大と原油高によりポリプロ、ポリエチ、ABSなどのアジアでの取引価格はほぼ全面高で昨年来高値を更新し、リーマンショック直後の水準まで戻してきております。国内では今月からポリエチレンなどが10%近くの引き上げが打ち出されています。
 今年の日本経済は円高、デフレ、原油高の三重苦で厳しい年となるでしょう。このような状況下での今年の最大のテーマはTPP(環太平洋経済連携協定)への参加問題でしょう。通商国家として生きるしか方法がない日本にとって、環太平洋に自由貿易圏ができようとしているのに、参加しないという選択肢はありえないと思います。
 数日前の新聞報道によりますと1月の13日と14日の2日間、ワシントンでTPPに関する初の日米事務レベルの協議が行われ、正式協議はこれからです。すでに交渉入りしている9カ国は来月から正式交渉に入ることになっており、明らかにわが国は乗り遅れています。アメリカも始めははっきりしない態度でしたが、昨年11月の中間選挙以降急速にTPP参加の推進力が高まり参加は決定的となりました。わが国がもしこれに乗り遅れればその影響は甚大であります。採算が悪化した企業は工場の海外移転を活発化させることになり、雇用に深刻な影響を与えるでしょう。TPPへの早期参加を切望してやみません。
 今年平成23年はウサギ年です。ウサギ年の株式相場は経験則に従えば「卯は跳ねる」といわれています。今年の日本経済がウサギのように元気よくとびはね上がり、本日ご出席の皆様並びに皆様の企業に取りましてすばらしい年となられんことをご祈念申し上げて新年のご挨拶といたします。」




 この後、来賓を代表して経済産業省・坂口化学課長様から、 「昨年末のナフサ課税に係る動き」と「内外の経済状況」さらに「経済産業省の施策」について紹介とご挨拶を戴きました。
経済産業省・化学課長 坂口 様



 続いて、昨年秋に旭日小綬章を受章した当連合会名誉会長の服部和彦氏へ 五十嵐会長より記念品の贈呈が行われました。
服部和彦氏へ五十嵐会長より記念品の贈呈  



 賀詞交歓はこの後、原副会長(西日本プラ工業協会会長)のご発声で乾杯がなされ、祝賀会が始まりました。
原副会長(西日本プラ工業協会会長)のご発声で乾杯  



 賀詞交歓会に先立ち、第165回理事会と新春勉強会が開催されました。
(講師:石油化学工業協会・高梨専務理事)
勉強会講師 高梨専務理事 新春勉強会の模様