全日本プラスチック製品工業連合会
  連 合 会 第51回 通常総会 開催される
  平成24年6月7日(木)15時、ヒルトン大阪(大阪市北区梅田1-8-8)にて全日本プラスチック製品工業連合会の第51回通常総会が開催された。

総会会場の全景
総会会場の全景

51回総会五十嵐会長挨拶
51回総会五十嵐会長挨拶
○ 五十嵐会長挨拶
2年間、皆様方のご協力を賜り何とか会長職を務め上げることができ心より感謝を申し上げます。振り返ると激動の2年間でした。最初の1年間は順調に推移し、リーマンショック後の世界的不況から立直りかけた時期でした。日本経済も新興国への輸出増や家電や車等への政策効果から徐々に持ち直してきていましたが、年が変わり中東諸国の政治混乱から原油価格が上がり、樹脂価格も上がり始めました。
そこに突如として未曾有の東日本大震災が発生し状況を一変させました。地震、津波、原発事故とまさに三重苦でありました。多くの企業の東北の生産拠点が被災し、サプライチェーンが寸断されて全国的な被害をもたらしました。
特に大変だったのは、東電管内で行われた一律15%の電力使用制限が課せられたことでしたが、企業のみならず一般家庭もさまざまな方策を用いて見事に乗り越えてきました。
さらにギリシャ発の欧州債務危機の影響により超円高が進展、タイ洪水被害の発生等多くの災難と経済変動に見舞われた1年でした。
今年はその苦難が特に関西電力管内で発生する可能性が高くなりそうですが、昨年の経験を生かして何とか乗り切っていこうではありませんか。

議事は以下7議案が原案通り全会一致で可決された。
  第1号議案 平成23年度 事業報告承認の件
  第2号議案 平成23年度 決算報告承認の件
  第3号議案 平成23年度 収支差額処分方法(案)
  第4号議案 平成24年度 事業計画(案)
  第5号議案 平成24年度 収支予算(案)
  第6号議案 細則の一部変更の件
  第7号議案 役員改選の件

退任役員へ感謝状授与
退任役員へ感謝状授与

新旧会長の引継式の後、新会長から退任役員等へ感謝状を授与。
齋藤新会長挨拶
齋藤新会長挨拶

○ 齋藤新会長挨拶
 総会も無事終了しました。皆様大変お疲れ様でした。これから2年間会長を引き受けることになりましたが、今の、この状況は、我々業界はもとより 日本のもの作り全体が、大変大きな岐路に立たされています。
 一時は落ち着きを取り戻したかに見えた世界経済、特にギリシャの債務問題がスペインにも飛び火して、今やユーロ圏全体がさらなる混乱状態に陥っている。またアメリカの雇用統計の下回り、中国やインド経済の成長減速など不透明感の影響から円が買われて、円高、株安が再び進行しています。6月4日の豊田日本自動車工業会会長の会見では、「この超円高の状態が続けば日本の製造業は崩壊する」と改めて危機感表明しています。「自動車産業は世界的に見ればまだ成長産業(4%の成長)で裾野も広く雇用や技術革新などの大きな担い手」であり、政府の経済、産業政策の中軸に自動車産業の競争力強化を反映させるよう訴えています。また「この超円高下では理屈でいえば日本でのものづくりを続ける事は有り得ない」と強調、「儲かればいいとの考えで100万台の国内生産を海外に移管したら一瞬にして20万人の雇用が失われる」とし「自動車産業の影響力の大きさを知っているからこそ、石にすがりついても国内生産を維持している」んだ、との談話記事でした。
 我々業界においても、下記のような事態、深刻な問題が表面化することが予測される。
  • グローバルな「もの作り」の中で 空洞化が進み、下請企業の選択と集中が急加速している。
  • また原材料価格の変動や価格差の不透明化により、顧客対応で各社間に温度差が生じる問題、<先日の新聞PS・PVC価格UPの圧縮標準単価198.50>の記事は参考になる。
  • 電力の安定確保と大幅な値上げによる収益への圧迫、
    (大飯原発の再稼動 関電管内は一安心)
  • 不当な値引き要請や支払い遅延、カタログ協賛金:売上高の○%のひどい要請。
  • 来年には中小企業金融円滑化法が打ち切りとなる(中小企業庁)、信用保証協会による中小企業向け保証制度の縮小(100%融資保証の縮小)が打ち出された〜6/5日経新聞。
  • BCP(事業継続)震災の経験からのサプライチェーンの寸断影響、2社購買(リスク分散)へのシフトが加速?
 TTP問題等もふくめた解決すべき諸問題が山積しています。出来るものから皆さんの生の声を集約し、経産省はじめ関係機関に情報を提供し粘り強く交渉していくことが急務と考えています。それに沿って努力したい。
 来年は、連合会の創立50周年の節目の行事等も控えています。どのような形で実施するのかの検討も急がなければなりません。また海外研修等も考慮していきたいとも考えており、皆様のご協力を心よりお願い申し上げます。
 これから2年間、会長という大役を引き受けさせていただくことになりましたが、五十嵐前会長、服部前々会長様はじめ、諸先輩方々の名を汚さぬよう努めてまいります。また皆様のご意見ご協力を賜りながら、会員企業の皆様のお役に立てる活動を連合会として、可能なかぎりできるよう努めてまいりたいと思っており、宜しくご協力のほどお願い申し上げます。